• 「住んだまま」「特定の部屋だけ」のリフォームも

     断熱リフォームを行うとしたら、壁の中や床下、天井裏を工事するのだから、仮住まいの費用も必要と思われるでしょうが、ご心配はいりません。 戸建住宅での断熱リフォームは、床・壁・天井をはがしてから新築とほとんど変わらない工事を行う方法もあれば、住んだままでもできる方法もあります。 ここでは代表的な断熱リフォームプランをご紹介しましょう。

  • プラン-1:住まいまるごと全体リフォーム

     住宅の基礎や柱・梁などの構造材以外はすべて取り払い、構造補強から断熱・気密化、間取り、内外装仕上げ、暖冷房・給湯や水回り設備の設置まで、新築とほぼ同様に工事行います。 工事費は新築に近くなり、仮住まいの必要もありますが、住み慣れた愛着あるわが家を快適性・省エネ性に優れた新築並みの住宅によみがえらせることができます。中古住宅を購入して快適な暮らしを送りたいという方にもお勧めのプランです。

  • プラン-2:生活ゾーンだけリフォーム

     健康性や省エネ性を高めるには、住まい全体を断熱化するのがベストな選択ですが、費用や工期の面で実施することが難しい場合もあります。そこでお勧めするのが「生活ゾーン断熱」です。リビング・ダイニングや洗面所・トイレなど、ふだん生活する場所を1つのゾーンとして断熱します。お子さんが独立して、これまで子供部屋があった2階を使わなくなり、夫婦2人が1階だけで過ごすようになった場合などにもお勧めです。通常の日常生活の範囲内での低温対策になりますが、断熱リフォームしたゾーン以外の空間との温度差が生じやすくなることには注意が必要です。

  • プラン-3:住んだままリフォーム

     室内側から床・壁・天井をはがすことなく断熱性を向上させるプランです。 工事は主に屋外側から行い、室内側から行う場合でも床・天井の点検口や部分的にはがした壁から断熱工事を行うので、仮住まいの必要はなく、暮らし続けたままで住まいの快適性・健康性・省エネ性を高めることができます。 工事方法についてもいくつかありますが、最近では断熱材と外装仕上げを兼ねた「外断熱外装材」を採用し、既存サイディングの上から直接断熱工事と外装仕上げを行うことで工事費を抑え、廃棄物もあまり出さずに済むリフォーム工法が注目されています。

  • プラン- 4:内外装・設備の更新・交換時に一緒にリフォーム

     サイディングやクロス・フロア材の貼り替え、冷暖房・給湯設備や浴室・トイレの設備更新などに合わせて断熱リフォームを行うプランです。 断熱リフォームを別に行うより工事費を抑えることができ、北海道の住宅・建築関連の研究機関である北方建築総合研究所では、外装材の改修と断熱リフォームを同時に行えば、別々に行う場合より200万円も工事費が少なくなるという試算を出しています。

  • お勧めは「住んだままリフォーム」

     断熱リフォームのプランの中でも、特にお勧めなのが「住んだままリフォーム」。暮らしながら自宅を快適・省エネにしたい方はもちろん、2階の暑さや1階の床の冷たさを解消したい方、工事を短期間で済ませたい方にもピッタリのプランと言えます。
     メリットは何といっても仮住まいする必要がないこと。一時的とは言え、賃貸マンション・アパートを見つけて引越しを行い、工事が終わった後に再び自宅に戻ってくるとしたら、家財道具の移動や電気・ガス・水道の手配などにかなりの労力をともないます。
     工事は天井・床・窓の断熱補強が中心で、天井や床は点検口などから工事し、窓は内窓の設置や高断熱ガラスへの交換などとなるため、一時的に使えなくなる部屋もありますが、住まい手の方の負担は最小限で済みます。外壁を断熱する場合でも、屋外から工事できる工法であれば室内から壁を壊すこともありません。 もちろん、日中は工事にともなう騒音や振動もあり、「住まいまるごとリフォーム」より省エネ性は劣りますが、短期間で断熱性能を高めることができ、仮住まいにかかる費用や身体的な負担もかからないというメリットは、とても大きいと言えるでしょう。

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